一歩先の自分を追う・絵も理想と現実の埋まらぬギャップを埋める事が上達に繋がる

イラスト

絵が上手くなるには現実と理想の違いを受け止めることが大切です。
受け止めた上で、そのギャップを埋めていく作業が上達につながると思っています。

これは人生全般にも言えることです。

 

⒈ 絵を描く上での理想と現実の差

絵を描く際にも理想と現実の差を感じます。
描く前には、頭の中にこういう風に描きたいというイメージがあります。
自分が理想とするイメージです。
実際にそのイメージに沿って描いてみると、現実は違ったりするものです。

実際に描くことは妥協の作業の繰り返しです。

  • 思い通りの線がひけない
  • 思い通りの構図にならない
  • 思い通りの色が見つからない
  • 思い通りの表情にならない

 

実際に手を動かし始めると、これら現実との戦いの作業です。
妥協はしたくありませんが、100%イメージ通りに描くことはかなり困難です。

どうしても、自分の頭の中にある理想のイメージと、実際に自分が描き出した絵という目の前の現実にはギャップが生じます。
このギャップを少しでも少なくするために、持っている技術を最大限出し尽くすように努めます。
このギャップを埋めるための作業の積み重ねが、技術の向上につながっていくと考えています。

理想のイメージに一歩でも近い絵にするために、あれやこれや試行錯誤を繰り返します。
試行錯誤のすえ見つけた理想に近い線の引き方、色の配置の仕方、表情の捉え方、描き方が、次回作品を描くときの土台となります。

 

 

⒉ ギャップが埋まり切ることはない、だから向上し続ける

 

絵を描くときに心がけていることは、最新作が最高作であるということです。

理想と現実のギャップを埋めるために持ち得る能力を最大限出しきります。
そこで得られた新たな知見が次回作品を作るときの土台になります。その土台をもとにまた試行錯誤し、新たな知見を上乗せしていくのです。
それができれば、最新の作品が前回作を下回ることはないはずです。

(絵なんて見る人によって捉え方も違うし、好き嫌いがあるので、明確な良し悪しの定義はありません。自分の中でそうなっていればいいのです。)

 

一見、この作業を繰り返していけば、いづれ理想と現実のギャップが埋まりきる理論ですがそうはいきません。
不思議なことに、かける絵が上達すると自然と求める理想も上がっていきます。
理想と現実のギャップが埋まることがありません。
この、追いつけ追い越せを繰り返すたびに、徐々に技術が向上していくのだと思います。
今の所、ギャップが埋まることは永遠にないような気がします。
でもそれでいいんだとも思います。

 

冒頭に、実際に絵を描くことは妥協の作業の繰り返しと書きました。
妥協と言っても負の妥協ではありません。挑戦しているが故の妥協です。
面倒くさいからこの程度でいいや、ではダメです。
かといって、納期を無視するのもダメです。

依頼していただいて描く絵には当然納期があります。
それを度外視して、納得のいく理想のイメージの絵が描けるまで納品しません!では通りません。
その時、与えられた条件、環境で作り出せる最高のものを描く意識は常に持っています。
それでも理想に到達しない現実受け入れるということです。

 

 

⒊ 人生にも言えること

この理想と現実のギャップは絵を描くこと以外にも当てはまります。
仕事に対する理想、趣味、人間関係、家事、生き方となんでもそうだと思います。
自分の場合は、絵も手術も診療も、理想に近づけて上手くなりたいと思っています。

 

頭の中にある理想が現実の能力を引き上げていきます。
そして引き上げられた現実がまた理想を押し上げます。
この繰り返しで日々向上していくのだと思います。

 

この引き上げと押し上げの関係がなくなるとしたら、それは向上をやめた時だと思います。
時には現実が理想を超えることもあり、それはそれで積み上げてきた物の結果ですが、それを宛てにし続けるのは危険です。

絵にしろ人生にしろ、一歩も二歩も先を歩いている自分の理想を、これからも追い続けていきます。

 

【今日のオランダ語】
理想と現実の間にはギャップがある。
Er is een kloof tussen een ideaal en een realiteit.
(エア イス エン クローフ テュッセン エン イデアール エネン レアリテイトゥ)