留学中の貯金が減っていく精神的ストレスの対処法【留学あるある】海外で医療者への道!Vol.11

メンタル


普通は毎月入ってくるお金があって、それを超えない程度に出ていくお金がある。
それが当たり前、というのが一般的な感覚だと思います。
言い換えれば、少しづつプラスになるか、少なくともプラマイゼロになっている。

そんなイメージが、無意識のうちに頭の中に描かれていると思います。
私も、日本にいたときはそうでした。
しかしながら、ドイツでの臨床留学の時も、オランダ移住後の最初の数年間も、
そうは問屋が卸しませんでした。(想定内のことですが。)
はい、基本的には収入がありませんから。ノーインカムで、お金は出ていくばかりです。

そんな留学あるあるの、「貯金がただ減っていくだけのストレス」の対処法について書いていこうと思います。

目次
1. 臨床留学は自費留学
2. 貯金が減っていく精神的ストレスの乗り越え方
2-1 事前に貯めておく
2-2 ”未来への投資”、”経験への投資”と考える
2-3 想定範囲内の事はじっと耐える
2-4 二足の草鞋を履く
3. お金以外にも得られものがある

1. 臨床留学は自費留学


臨床留学は、ほとんどの場合が自費留学になると思います。
留学期間中にお給料がいただけないことを想定して、準備しなくてはなりません。
私の場合は、完全自費留学でした。

ドイツ留学期間の1年6ヶ月も無収入でしたし、今いるオランダも、移住後の最初の3年間はほぼ無収入でした。

栓の抜けたダム状態です。

ダムが決壊し、大切な水資源がとめどなく流れ出ていくイメージです。笑

想定範囲内のことですが、どう考えても気持ちの良い状態ではなかったです。

無収入の期間が長ければ長いほど、ストレスは大きくなるでしょう。

次第に慣れてはきますが、最初は自分に何を言い聞かせても、その焦りと不安は消せませんでした。

しかしながら、できることは探せばあるものです。

2. 貯金が減っていく精神的ストレスの乗り越え方

私が実践した、している対処法は以下のものです。

2-1 事前に貯めておく
2-2 ”未来への投資”、”経験への投資”と考える
2-3 想定範囲内の事はじっと耐える
2-4 二足の草鞋を履く

2-1 事前に貯めておく

留学を意識した頃から、少しづつ資金を貯め続けました。

留学期間中、収入がゼロでもやっていけるだけの額を貯めるのです。

留学先の物価さえ調べればある程度簡単に目標額を算出できます。

たとえば、1年間の留学の場合、

衣食住と光熱費、全て込みで15万円/月でやりくりするなら、
15×12ヶ月=180万円

あとは、日本にいない間にも日本に納入する必要のあるお金(前年度の住民税、保険、年金など)をざっくり足します。すると、
180万円+60〜80万円=240〜280万円

を貯めれば良いことになります。

月5万円づつ貯蓄すれば、4年〜4年半ほどで溜まります。

月10万円づつ貯蓄すれば、2年〜2年半で貯められます。

2-2 ”未来への投資”、”経験への投資”と考える

留学で得られる経験は、お金に換算できないプライスレスなものです。また、その経験が、自身の未来を大きく変えてくれる可能性もひめています。

海外留学、海外で生活、一時的とはいえ、旅行のように気軽にできるものではありません。

それゆえに、その経験が持つ価値は、計り知れないのです。
その計り知れない対価への投資なのです。

もちろん、留学中の経験を価値あるものにできるか否かは、他でもない自分自身にかかっているわけです。しかしながら、その経験そのものを手にしなければ、プライスレスな対価を得られるか否か、という議論は何も始まりません。その、原石とも言える、留学経験を今まさにしているのだ、そう考えれば気持ちは前向きになると思います。

そして、単なるマインドコントロール的な精神論ではなく、実際に、必ず何かしら得るものがあります。
私の場合はそうでしたし、オランダにいる今もそうです。

2-3 想定範囲内の事はじっと耐える

留学中に収入がないことは想定範囲内のことです。その事実を織り込み済みで留学に出るわけですから。

あれこれ考えず、帰国したらまた稼げばいい!と開き直りましょう。

貯めておいたし、想定していたことだと頭ではわかっていても、長く続くと、精神が疲弊してきます。

それでもじっと耐えましょう。今はこれでいいのだ、そう思って耐えましょう。笑

2-4 二足の草鞋を履く

開き直るとか、じっと耐えるとか、気持ちの話ばかりで、事前に貯めておく以外には、結局何もできないのか?
というとそんなこともありません。

留学中でも出来ることは、探せばあるものです。

私の場合は、海外で医療者として働くことが目標ですが、そこにたどり着くために、他の仕事をしてもいいわけです。留学中でも同じです。(ただし留学先の国内からお給料をいただいて働く場合は、就労可能な滞在許可が必要だと思いますので、各自確認しましょう)

なんなら、二足でも三足でも草鞋を履けば良いのです。稼ぎ口を複数持つということです。

私は、以前から少しずつ始めていたイラスト業を、オランダに渡ってから、更に力を入れるようにしました。

このブログも、日本にいた頃に始めましたが、オランダに渡ってからも、細々と続けてきました。

また、1年間だけですが、オランダで日本人の中学生の数学の先生もやらせていただきました。

マーストリヒトにある日本語補習校で、中学1年生から3年生までの、数学を教える講師の仕事です。

毎週土曜日の9時から14時まで、日本語で数学の授業をさせていただきました。

当時は、「自分が理想とする歯科口腔外科医になるために、一度、歯科口腔外科医を辞めるんだ」そういう覚悟でもありました。

夢を叶えるために、できることはやろう!

そういうことです。

3. お金以外にも得られものがある


もちろん、毎月の生活費を補填できるだけの収入が得られるとは限りません。私の場合は、インカムがあってもお小遣い程度でした。それでもゼロよりはマシです。

幾らかでも、流れ出ていく水の勢いを減らすことは出来ました。たとえ収支はマイナスでも、多少のインカムがあるということは、精神的助けになりました。

また、結果的に、得られるものはお金だけではありませんでした。

数字では表せられない、プライスレスな経験が得られました。

例えば、
日本語補習校にいらっしゃる生徒さんたちは、平日は現地校やインターナショナルスクールに通っています。その傍で、土曜日に日本語補習校に通っているのです。英語にオランダ語、そして日本語。それだけで十分に大変です。宿題も沢山あります。そんな一生懸命に学んでいる姿を、毎週目にしてきました。にそれによって、私が生徒さんたちに背中を押されるような、そんなポジティブな気分にさせてもらえる時間でした。

単純に、「うん。私も今以上に頑張ろう!」。毎回そう思わされました。


こと臨床留学において、経済的不安定さは、ある程度、常について回る事柄かもしれません。

ゆえに事前に対処することができるし、上記のように留学中も、やれることはあります。

この、一時的な経済的ストレスを受け入れてでも、留学する魅力とメリットは十分にあります。

しかし、貯蓄が減っていくストレスは実際に経験した私もよくわかりますが、気持ちが良いものではありません。

そこを上手く乗り越えながら、価値ある留学、海外挑戦にしたいものです。

本記事が少しでも、その解決の参考になれば幸いです。


海外で医療者として働くための道!シリーズの記事はこちらから↓
http://www.chiptankoyama.com/category/海外で歯科医師として働く/

↑私がイラストを担当した抜歯本です。イラストが豊富でわかりやすい内容になっています。